がむしゃら柴田のポーランド日記 1

 何から書き始めたらよいのか、困りました。
一言で言うと、なんていえばいいんだろう。
困るんです。
うちへ帰ってから
札幌の仲間たちに一月ぶりに会えばみんな口をそろえてこういいました。ポーランドはどうだったと?
よかったと、それ以外とっさの言葉が浮かばないから。
容量を超えた経験をこの一言に込められるのかは疑問です。
二年間待ち望んだワークショップを受け。
外の国へ行く夢が叶い。
友達までできた。
新たな感動と、言葉と、知識とを与えてくれた大輔さん。
同じ時間と場所を共有した四人の恩人たちに感謝と尊敬の念を込め、私は今まで自分の身に起こったことすべてを肯定して、全ての出会いに感謝をします。
北海道にいる間はアルバイトと芝居の稽古に追われて気の休まる暇もなく、現実と芝居の境目をうろうろと見つめるうちに考えは硬くなり。自分でも理解できない行動に出てしまったりと精神的にも見て取れるほど痛々しいものだったと思います。
それは、見た目では今でも、あまり変わってないように思われるかもしれないけれども。
私はほんのちょっとの一歩を何年もかけてやっとまた踏み出すことができたんです。
舞踏というものに触れたとき私の背中を一押ししてくれたのだと思います。
自分や他人を客観視するばかりではなく。
日本人として日本人を客観視して見つめることができるようになりました。
、、、パソコンを持っていないないのでインターネットカフェで書き込みをしています。そろそろ出ないとお金がないのでまた後日に書き込みしたいと思います。
 文章表現が穴明きではありますが一ヶ月間書き溜めた私の五冊のノートの中から下品な表現や余計なことを省いてなるべく、優雅に書き込みしたいと思います。誤字脱字等々お許しください。それでは、まず何ページか分だけ。
出発
10/27.AM11:23
ああ、本当に遠くへゆくのだなと、飛行機の窓の向こうにある真っ白い雲を見て思う。
上昇や下降の気圧の変化に耳の中に何かがつまり、つばを飲み込む。
また何かが詰まる。
、、、少し眠った。
富士山が見えた!
東京が近い。
   PM2:18
成田空港より13:00発のモスクワ行きの飛行機の中にいる。
、、、ビールを頼んでしまった。
なんというか、まるでスターウオーズ。
映画の世界の中に入ってしまったかのような不思議な感覚。
瞳の色が違う。
言葉が違う。
生まれも違う。
コミニケーションをとるすべが見つからない。
ただひとつだけ共通点を挙げたなら、同じ人間だということ。
それしか言いようがない。
(しばらく眠ってふと外をみるといつまでも夕焼けが続いていた)
太陽を追いかけ追いかけ、日が沈まない。
いったい今何時なんだろう??
5:22(俺に時計で)
やっと薄暗くなってきた。
機内の中に少しだけ夕焼けの明かりが差し込んでいる。
二列前の左側に座る女の人のブロンドの髪の毛が空の色と同じになってしまった。俺は驚いてしばらく見とれていた。
今度は一列前の左側の窓があいた。
高度何万mとかの、ここは高い。
空の景色は今まで何度も見た夕日のどれともいえない。
ぼくの知っている一番美しい色はやっぱり太陽が沈む瞬間なんだ。
目の前にある風景と心の中にある風景が共鳴しあって、感動している。
日本刀みたいな空だった。
きれいだ、とても。
でも、なんとなく気を許せない。
(天井についた4つのテレビより)
高度9604m、777km/h、気温が-51℃
シベリアを越えてもっと遠いところを目指している。
ぼくは岡崎さんと空谷さんと、もっと遠くを目指している。
もっとも俺は、
空谷さんと岡崎さんなしに何もできない日本人なんだと、知った。
10/28 
AM1:40 日本
PM7:48 ロシア
モスクワ空港につく。
、、とても落ち着いたフインキ。
100%自立しているような。、
みんなからだが大きい。
なんだかそんな空気で(どんな空気だ?)
とてもじゃないけどはしゃいじゃいけない気がする。
1.5$と1$で。
ロシアの音楽をテープで買った。
岡崎さんと3$でラーメンを買った、韓国製だった。
ロシア美人にお湯を入れてもらった。(うれしかった)
さすがに疲れた。。けれどもこれから飛行機に乗って。
また二時間半も揺られなければならない。
そのあと出国手続きがあり、IWONA WOJNICKAさんの
家まで行かねばならない。。。。
なんという激動の一日。
明日はすでにブロツワフとういう所まで行かねばならない。
次の日は本番、、、、、、、、、ほっ。
ロシアのようにどでかく落ち着いた人間になれないものかと深呼吸してみた。
(ポーランドの空港に着くと二人の若者が迎えに来てくれていた、早速車に乗り込み部屋へ連れて行ってもらった。家族や友達の紹介を受ける)

柴田 智之(21歳)
最初に泊めてくれた人の家で
 
 

10/28pm01:30
うまくしゃべれなくて悲しい、話したいことがたくさんあるのに言葉がわからない。
情けないが、かっこ悪いが。  男だよ、俺は。
時間は自分で作る。
やるべきことはやらねばならない。
my brotherと、絵を描いて自分の家族を説明した。
なんと、笑いあって打ち解けあうことができた、素晴らしいことだ!
(しばらくして眠りについた、その日の晩はとっても寒かった)
ポーランドという土地で俺は眠る。
遠く離れたこの場所で眠る、今はまだ寂しくない。
10/28am10:00
当初の予定ではいけなくなった。
ポーランドのタクシードライバー達がストライキを起こしているために駅まで行けなくなってしまったのだ。
で、朝の7:30からもう二時間も立ち往生している。
早く出かけたい気持ちでいっぱいだ。
空谷さんは日本に居るみたいな安心感を感じているので、これではいけないと言っていた。俺もそんな気持ちになった。
(この日はすごく早起きをしてしまったので朝に空谷さんと散歩をした実に気持ちがよかった。冬が近いことを感じる。)
つづく
大輔さんへ。
なんとまあ忙しくなってきました。
今自分の手元に台本が四冊もあります。
忘年会で芝居をすることになり一冊、来年の三月に一本、末に落語。十二月に芝居のお誘い。再来年にやらないかと渡された台本一冊。
そしてつい昨日から始まった手話のお芝居、手話に声をのせてほしいとのことでした。これから向かわなければなりません。
本番は一月です。
いきなり忙しくなってきました。
明日も朝の七時半からホテルのディナーショウの仕込みとばらし。その次の日は、大学でヌードモデルのアルバイト。
稽古、バイト、稽古。
相変わらずの日々が始まってまいりました。
もちろん、めげる事はありません。
自分に必要なことをしているまでです。
つらくても、大きな声で笑ってやろうと思っています。

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