流浪の旅人 吉本大輔よ
あなたの肉体はどこへ行こうとしているのか
祈るようなその眼差しの中で
僕らは激しい怒りと
すべてを包み込むやさしさを見た。
見た。 見た。 見た。 見た。 見た。 見た。
風が吹き、木々が揺れ、山が動き、日が落ち
闇よ、闇よ、闇よ、闇よ、闇よ、闇よ
闇は吉本大輔の肉体を詩と化し、
詩は吉本大輔の魂を昇天させる
そして
祈りの型にあなたの肉体をはめ込み
切ないくらいの哀しみの中で、
僕らの魂を癒しつづける。
だが、あなたの肉体は未だ沈黙を守り
守り、守り、守り、守り、守り
光よ、光よ、光よ
光と共に、あなたは闇を切り開き
僕らの魂に光をあてた。
僕らの心臓の、僕らの心臓の鼓動は高鳴り
あなたの肉体は波打ち、
あなたの、あなたの、あなたの不意の祈りが
僕らの心に突き刺さる 。
祈りを、祈りを、祈りを 、祈りを
そして今、吉本大輔は、ひとりダッタン海峡を渡る、ダッタン海峡を渡る
渡る、渡る、渡る
それはあたかもエデンの園を追放されたアダムとエヴァの化身のように
それはあたかも両性具有の化身のように
吉本大輔は、ひとり極北の国境を渡る
極北の国境を渡る
決して、越えてはならぬ その国境線を渡る
誰も渡ったことのない その漆黒の河を
僕らの魂をひきつれて ひとり ひとり渡る
孤高の人 吉本大輔よ
今こそ風のように走れ 走れ 走れ 走れ
すべての哀しみをひっさらって、走れ!
そして今、突き抜けるような弦楽器の光が、彼の上に射し込み
新たな旅へと旅だった。
青空には何も残らなかった。
だが、僕らの中には、血まみれの、傷だらけの
肉体詩人吉本大輔の魂が残った。
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